Village House Project ビレッジハウスプロジェクト

人口500人の村に移住者促進のための賃貸住宅をつくる。
企画段階から関わることで村の課題解決と共につくることを試みたプロジェクト。

村内には、空き家がある。しかし、核家族や単身者、夫婦のみで住むには大き過ぎたり、隙間風だらけで寒かったりとそのまま住めるイメージを湧くことができる家は少ない。都心部からの移住希望者がお試しで快適に住める住居が必要だった。

せっかく、新築で建てるならば、周囲の豊富な森林資源を使うことにした。また、冬の寒さ、夏の暑さから快適に過ごせるよう断熱性能を確保し、(HEAT20 G2クラス)冬の熱源は薪ストーブを採用している。

東日本大震災時に建てられた、岩手県住田町の木造仮設住宅が10年経ち、解体されるということで、その解体材を転用できないか?と要望があった。そこで、2棟の解体材を丹波山村に運び入れ、転用できる箇所を選定。フローリング、窓枠、キッチンのカウンター仕上げ、通気胴縁や配線胴縁などの2次部材として転用できた。

プランは土間空間と板間のリビングがあり、浴室洗面の上のロフト空間を寝室としている。土間空間には外部からもアクセスしやすい開口部を設け、小さなオフィススペースとして使うことも想定している。ゆくゆくは、キット化し、移住希望者、地元住民などで協力しながら建設できる小屋以上、住宅未満のサイズである。

昔、茅葺き屋根をご近所さん同士で葺き替えたように、田植えを皆で手伝いながら行ったように、コミュニティを形成しながら整える住まいとして考えた。

INFORMATION

設計
中田製作所
施工
中田製作所
設計期間
2020.10—2020.12
施工期間
2021.01—2021.03
所在地
山梨県丹波山村
用途
住宅(新築)
階数
地上1階
敷地面積
225.52 ㎡
延床面積
35.23 ㎡
省エネ地域区分
3
断熱等級
5
断熱性能
HEAT20 G1 クラス
Ua値
0.38W/m2K
C値
0.5㎠/㎡
写真
佐藤陽一